【高血圧】早朝高血圧
早朝高血圧
早朝高血圧とは?
血圧は常に一定の値をとるのではなく、24時間のサイクルの中で変化を示すものです。この変動は、主に血圧を調節する神経の働きによると 考えられています。早朝 の覚醒時間帯になると交感神経が活性化しこれが血管収縮をきたして血圧を上げます。一般には、夜間安静時には血圧は低く朝方から日中にかけて緩やかに上昇していきます。
しかし最近、日中の血圧は良好でも早朝の時間帯に急峻に血圧が上昇するタイプの高血圧が存在することが分かってきました。このようなタイプの高血圧を「早朝高血圧」と呼びます。
なぜ早朝高血圧が問題となるのか
早朝高血圧では心筋梗塞、狭心症発作、脳卒中などのリスクが高まること、心脳の急性血管障害は明け方から午前中にかけて発症頻度が高いことが知られています。
その理由として推測されているのが、朝方に生じる交感神経緊張による血管収縮です。血管収縮は一方で「早朝高血圧」による血管系への負担を生じ、さらに、血管収縮による血流阻害も起こします。これらがあいまって、脳や心臓の血管が詰まると考えられます。これらの重大な病気の発生をおさえるためにも、「早朝高血圧」の治療が重要だと考えられるようになって来ています。
早朝高血圧の治療
まず一日の血圧の変動パターンを知ることから治療は始まります。詳しくは24時間の血圧モニターなどが行われますが、その前にまず
自動血圧計を入手し自宅で起床直後、日中、夕方、寝る前などの血圧を何回か測定することです。多くの場合はこれで変動パターンを明らかにすることができます。
日内変動のパターンから早朝高血圧と診断されたら、以下の点を考慮して投薬の内容を決めていきます。
●長時間作用型の薬の選択
●投薬時間の変更
●早朝高血圧を抑える特長を持った薬の選択
●早朝の交感神経緊張を抑える薬の選択
薬の決定にあたっては、考慮すべき因子が多岐にわたるため、専門の医師による判断が必要となります。血圧測定で早朝高血圧が疑われたら、ぜひ循環器専門医に相談してください。