【心療内科】うつと体の症状(改定版)
うつ病 :体の不調をとおしてみるうつ病
うつ病は、患者さんにも医者にも気がつかれにくいことのある、やっかいな病気です。理由はいろいろありますが、その一つに、うつの症状は体の症状として自覚される事が よくある、という点があげられます。身体の不調が前面に自覚される場合、患者さんも医者も身体の病気として扱ってしまいがちです。その結果、血液検査やレントゲン、心電図などを繰り返すのみで 、答えがでないまま放置されてしまう事となります。うつ病を見つけるためには、「体の不調の背後に心の問題が潜んでいるかもしれない」という視点が不可欠です。
以下に、ひとつの目安として、チェック項目(A:身体症状)、(B:診療経過)をあげてみます。最近3か月程度を目安に、各項目を自己採点してみて下さい。
A. うつでみられる身体の症状
1. 食欲不振、胃部不快、吐気や便通の乱れ(下痢、便秘)が続く
2. この一か月で5%以上体重が減った
3. 微熱が続く
4. 倦怠感が続く
5. 肩こり、腰痛が続く
6. 動悸、息苦しさ、胸部不快が続く
7. 頭痛が続く
B. 症状のきっかけと、これまでの診療経過
1. 内科の検査に異常がみつからない
2. 内科の治療がいっこうに功を奏さない
3. 生活環境、対人関係の変化とともに症状が出現した
(1)A.で3項目以上該当する場合、
(2)A.が1~2項目該当し、さらにB.1-3に一つでも該当する場合、
うつの身体症状の可能性があります。
該当する方は以下の項目C.へ進み、気分の状態を振り返って見ましょう。
↓
C. 気分の不調についての項目
1. ゆううつ、沈んだ気持ちが2週間以上続いている
2. 楽しくない、あるいは興味がわかない
3. 気力がわかない
4. 集中力、決断力がおちた
5. 眠れない(寝付けない、あるいは夜中早朝に目が醒めてしまう)
6. いらいら、おちつきのなさがある
7. 仕事に対する意欲が低下した
8. 自分の能力に自信がなくなった
9. 自分はだめだと感じる(自責感)
10. 人と会いたくない
11. 1-9の症状は午前中に重い(夕方になると何となく楽になる)
A,Bの条件を満たし、さらにCで該当する項目が2個以上あれば、身体症状の土台にうつが控えている可能性大です。
医師に相談する事をお勧めます。