高血圧通信 3 / 下の血圧だけが高い。どうしたら良いか(拡張期高血圧について)

 

下の血圧だけが高い高血圧ー拡張期高血圧

 血圧が高い、というと一般には上の血圧(収縮期血圧)が高い事を意識して言われる場合が多いように思います。しかし、時に下の血圧(拡張期血圧)だけが高いという場合もあります。これも立派な高血圧で拡張期高血圧と呼びます。拡張期高血圧は収縮期血圧が140mmHg以下で、拡張期血圧は90mmHg以上、と定義されています。

 現在ではつい上の血圧の値に目を奪われがちですが、実は、かつて高血圧の危険性は、主に拡張期血圧にあると考えられていた時代もありました。その後収縮期圧と心脳血管の重大な病気との関連が認識されるようになりましたが、拡張期高血圧の危険性の評価が低下したわけではなく、高血圧の指標としては変わることなく重要です。拡張期高血圧は治療が必要な高血圧です。

 

拡張期高血圧の特色

一般的に言って、心臓の血液拍出量が増加する時は収縮期血圧の上昇が大きく、動脈硬化などで末梢血管の抵抗が上がってくる場合は、拡張期血圧の上がりが大きいと言えます。したがって、例えば甲状腺機能亢進症などの心拍出量が増大する疾患では、収縮期高血圧となり、動脈硬化による血管弾性の低下が末梢血管に生じれば拡張期高血圧になります。

拡張期高血圧は高血圧の自然経過の初期に多く見られ、小動脈〜細動脈の血管抵抗は増加しているが、大きな動脈の変化はまだ生じていない状態を反映している事が多いと言えます。この時期を過ぎて、大きな血管にまで動脈硬化が及ぶと、収縮期血圧の上昇が出現します。その点で、拡張期高血圧は収縮期高血圧の前触れとも言えます。

● 収縮期血圧と種々の臓器合併症(心、脳、腎など)との関連は古くからよく知られています。また脈圧(収縮期と拡張期の血圧差)の大きさと心血管合併症の発症率との間にも関連がある事が知られています。拡張期高血圧では収縮期血圧はまだ正常で、また脈圧もむしろ狭くしますから、合併症の点では比較的安心といえます。ただ、放置しておくとやがて収縮期も高血圧になる点が問題なのです。

● したがって拡張期高血圧は、いきなり薬とはせずに、肥満、食事内容、運動習慣などの是正などから治療を開始してよい病態といえます。実際、肥満を是正し、運動療法を行うことで拡張期血圧が低下した例はよくみられます。

● ただし、まれには若年発症の特殊な高血圧(二次性高血圧)の場合もある点に注意。腎血管性高血圧などです。

  

拡張期高血圧の治療について

上述のように拡張期高血圧は高血圧の自然歴のなかでは初期の場合がおおく、薬物治療よりも生活調節の効果が期待できる場合が多いと言えます。

2) 薬は末梢血管をくつろがせるタイプのもの(α1ブロッカー、Caブロッカーなど)が第一選択になります。心拍出をへらして血圧を下げるタイプの薬が処方されている場合などは再考が必要です。 

 

 

 

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